第5回編集講座「出版業界におけるデアゴスティーニ・ジャパンのマーケティング戦略」
開催日: | 2014年11月20日(木) |
会 場: | コミュニケーションプラザ ドットDNP 2階イベントゾーン 東京都新宿区市谷田町1-14-1 |
時 間: | 18:30~ |
講 師: | 株式会社デアゴスティーニ・ジャパン マーケティング本部担当上席執行役員 佐藤 賢氏 |
受講者: | 52名 |
今回はイタリアから日本に進出し、TVのCMやテスト販売など、徹底したマーケティング戦略によりパートワーク(分冊百科)や、ビルドアップパートワーク(組立付録つき分冊百科)など、個性豊かなコンテンツを日本に定着させたデアゴスティーニ・ジャパンの独自の販売戦略を語っていただいた。
マーケティングの基本は4P(プロダクト、プライス、プロモーション、プレイス)であること、商品開発のニーズを知るためには、定量リサーチ(アンケートなど)と定性リサーチ(グループインタビューなど)を行うことで、ターゲットを絞り内容の方向性をきめる。ただし商品作成には、80%のお客様の声と20%の勘で決める。
パートワークは、創刊号の販売部数が成功の鍵。創刊号の部数が多いと全体の部数がアップするのが定則。創刊号にもてる力のすべてをかけることが大事。広告宣伝では、TVのCMが効果大である。やはりリサーチを行ない、購入意欲をかきたてる内容かどうかを検証する。
パートワークの販売は、誰でも入れるし、バックナンバーが揃っている、販促活動のポイントになるといった点で、書店ルートが最適な販売チャネルという。
ただ、最近書店の数が減ってきているのは懸念材料だとのこと。
デアゴスティニのマーケティングのポイントは、
- ・どんなアイデアもまずはリサーチ
- ・商品作りも、CM作りも80%データと20%の勘で
- ・書店ルートは最大の武器
- ・販売分析はデータ100%である。
データが悪ければ、すぐに取りやめる勇気を持つ。
そこに、編集者の勘の入り込む余地がない、とのことだ。