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出版コンサルタント 株式会社 スカイライター代表取締役 川辺秀美 氏 ソーシャルメディアは何を変えるのか?

大手就職情報会社から出版社へ転職し、13年間書籍編集に従事。日本初のお笑い実用書『ウケる技術』や20代の投資ブームを巻き起こした『東大生が書いたやさしい株の教科書』など数々のヒット作を生む。08年に独立し、株式会社スカイライターを起ち上げ、「編集」というコンセプトを社会に還元するために、人材教育コンサルティング、執筆、編集の三本柱で事業を展開している。主な著書に『カリスマ編集者の「読む」技術』、『22歳からの国語力』(講談社現代新書)、『空海 人生の言葉』(ディスカバー21)、『空海と密教美術』(洋泉社)などがある。


ソーシャルメディアは「編集」と「文章」を解体していく

今日はソーシャルメディア、特にFacebook、Twitterについてお話しするということですが、私はTwitterやFacebookの登場で、「編集」「文章」という概念は解体されていくのではないかと思っています。なぜなら、ソーシャルメディアは、既成概念を破壊するメディアといえるからです。
先日チェニジアで起こった民主化運動「ジャスミン革命」も、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアが民衆の心を喚起したと言われています。それくらい、ソーシャルメディアは良くも悪くもさまざまなものを変革する力を持っているということです。
では、まずソーシャルメディアを語る以前にインターネットやITの普及は、私たちに何をもたらしたのかということをお話ししたいと思います。
米国の消費者レポートによると、米国人が情報に接する量の変化は1980年と比べると2008年の時点で約3倍になっています。ただし、その中身は動画やゲームが55%を占めていて、本や活字への関心が高まったわけではありません。日本でも書籍という観点で語らせていただくと出回り部数は2.7倍、3倍近くに増えています。
1990年代末頃にはメールマガジンが勃興していて、ちょうどアマゾンが上陸した2000年に私は医学生が書いたメルマガを書籍化したのですが、それを著者のメールマガジンでさらにアマゾンに誘導させるという販促手法を仕掛けました。恐らく書籍編集のなかで、一番最初にメルマガを使った大きな販促を仕掛けたのではないかと思っています。
今ではそういったプロモーションは当たり前ですが、特にビジネス系の書籍だと、著者と編集者がブログやTwitter、Facebookといったソーシャルメディアを活用して、アマゾンのランキングに入れるということはもはや日常化しています。こういう販促の手法になってきてから、「本」というものが大きく変化してきたと思います。
その後、ブログが出てきてからは「アルファブロガー」という職業が成り立ってしまうほど、その人たちにいかに読んでもらって、書評を書いてもらうかということが売上を左右するようになりました。影響力のあるアルファブロガーは毎年変わるのですが、この人たちに密着しないと本は売れないとまでいわれています。
特にビジネス書の業界、実用書系はアルファブロガーの力を借りない限り、なかなか本が売れなくなってきていると思います。いわば、アルファブロガーが本のソムリエになっているのです。
つまり、その情報を評価できる人が影響力を持つということです。『キュレーションの時代』の著者である佐々木尚俊さんはこういった人たちを「キュレーター」と言っていますが、これは今後一つのキーワードになっていくと思います。

Twitter で読者一人ひとりと向き合う

昨年頃から、ソーシャルメディアが大流行しているわけですが、ソーシャルメディアは時代の空気感をつかめるメディアですから、やっていない方はぜひやったほうがいいと思います。今までのWebメディアと違い、匿名性ではない点が特徴です。特にFacebookは学歴や職歴も書かなければならないので、より立場が明らかになり、社会性が高いということです。
出版業界ではビジネス系の編集者はTwitterもFacebookもほとんどの方が販促に活用しています。カバーの色校を見せたり、「重版」「10万部突破!」といったことをTwitterでつぶやいています。
Twitterはフォローするかフォローされるかという世界で成り立っているのですが、利用価値の見解が分かれています。まず、フォローすることに意義があるという意見。自分がフォローしたい人の情報を集めて、その情報を編集していくことに価値があるという立場です。つまり情報価値の高い人だけの情報を集めて編集していくことに価値があるメディアだということです。
一方ビジネスでTwitterを活用する場合、3000人以上のフォロワーがいることが条件といわれています。
ちなみに私はTwitterでフォローしている数が500くらいでフォロワーが900くらいなのですが、昨年セミナーを開催するのにTwitterで告知したら、7、8人の応募が来て、募集人数の3分の1程度を獲得できました。販促として使うのであれば、フォロワーは多いほうがいいに越したことはありません。ビジネスで最速で使いたい場合は1000人くらいフォローしてみる。そうすると半分くらいはフォローしてくれるかもしれません。
ただ、フォロワーは数だけでなく質も重要で、同じ数でも顧客になりそうなフォロワーを増やせるかで効果が違います。その「質」をつくるには、どんなつぶやきをするかによります。私のフォロワーの主流はIT関係の方が3割、出版関係で3割くらい、あとは読者と学生です。これは今、私が手がけている仕事の顧客と同じです。
Twitterは一定のプロモーションをすれば間違いなく効果が出るメディアだと思います。皆さんが編集制作した本を上手くPRしたら、もっと売れる可能性はあります。
たとえば、私は昨年の12月にディスカバー21から『空海 人生の言葉』という本を出させていただいたのですが、1月の時点で2万部くらい売れていました。その後2月にテレビ東京のワールドビジネスサテライトで紹介されたのですが、Twitterでキーワード検索したら、ものすごい数のつぶやきがヒットしたので、一人ひとりをフォローして読者にお礼のメールをしました。結果として一カ月に2万2千部の重版につながり、4万部を超えるセールスにつながりました。こうした読者と著者が直接つながることよるファンづくりの販促方法はソーシャルメディアならでは、です。
一方で、Facebookを活用している人は主に独立開業者や経営者が多いという印象を受けています。例えばイベントなど一括管理ができるので、Twitterより営業や集客に使える機能が豊富です。
最近で話題になったのはホンダが新卒採用にFacebookを活用していて、ロボット開発の現場の社員と学生が意見交換する場として注目を浴びました。今まではあり得なかったイベントがほとんどコストをかけずにでき、なおかつ企業PRにもなってしまったのです。
ソーシャルメディアは、組織という枠を超えて個人と個人が絆を深めていき、それが新たな人間関係づくりファンづくりにつながっていきます。


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