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基礎から学ぶ編集講座
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ステークホルダーとの価値共有?
編集者が、企業と情報の受け手の間に介在することで、メディアによってベストなコミュニケーションをつくっていくのが編集者の仕事なんだと思いますが、吉澤さんは入社案内というメディアの先駆者として、それを体現されてきたということですね。
そうですね。ユー・ピー・ユーを起ち上げた70年代当時も、今と同じように企業と学生の間に価値観のズレがあって。70年代後半から、それはもう強烈に広がっていったわけです。企業と生活者の間に、価値観のギャップが広がっていた。その前の高度成長期は幸せだったんですよ。会社が大きくなって成長すれば給料も上がるし、家族も安泰だから、価値観も共有できたわけです。一体感があった。
でも、それが壊れ始めたのが70年代後半、生活者の価値観と企業の価値観がずれてきた。だからそれまでの企業が一方的に発信する情報では、生活者に受け入れられなくなってきた。だから、その生活者と企業の間に、新しい価値をつくるためのメディアをつくろうと僕らはしたわけです。
もう、企業はマーケットだけに情報発信していればいいという時代ではないんですね。これからは、発信し続けると同時に、受信もし続けなければならない。企業としての価値がほかの個人や組織、社会、いわゆるステークホルダーに共有されるかどうかっていうのが、企業の存在に関わってくるんですよね。その価値をつくっていくのが編集者で、だからこそコーポレートコミュニケーションというのは、ものすごく面白いんだと思います。
情報の受発信ということでいうと、これからツイッターやブログをツールとして使っていく企業がますます増えると思いますが、どんなにメディアが変わろうとも、「パーティシパントアナリシス」をもっていれば編集者の役割は変わらないということですよね。
僕は職業として編集者というのはどんな時代になろうとも、なくならないと思っています。時代が変わってもメディアが変わるだけで、編集者の仕事は変わらないですよ。何に載っけて、誰に発信するかっていうのを前提にやっているわけですよね。そのプロセスのなかで編集が必要になってくる。仮にメディアがケータイになろうが、パソコンになろうが、iPadが普及しようが、そこは変わらないと思います。ただメディアが進化すれば、専門スキルも高度化するし、従来平面だった情報が立体的になるので、それを編集するっていうのは、実にパワーがいることですよね。だからIT技術の進化についていけない編集者はしんどくなるでしょうね。
20年前、インターネットが出てきたときも「紙かwebか」と、各編集制作会社が論議していましたが、「編集制作」っていう行為は変わらないのに、紙しかやりませんっていうのは、編集者としての限界を自分で決めてしまっていると思います。新しいメディアが誕生する度に同じような議論が出るんだけど、どのくらい使いこなせて、ベストの見せ方ができるかが、編集者の腕にかかっているんであって。そういう意味で、編集者っていうのは好奇心の塊であってほしいです。
イノベーションこそ、編集者がつくる?
現在、企業広報は予算は削られたり、雑誌は休刊が相次いだりして、出版業界は縮小傾向なわけですが、このような現状を打破するために編集者がすべきことはなんだと思いますか?
僕は、編集者で一番偉い人は辞書をつくった人だとよく話すんですが、同じようにリクルートが、70年代にやった住宅情報誌も画期的なクリエイティブだと思っています。それまでの住宅情報は新聞の下のほうに、編集されずに載っていたんですね。せいぜい、市区町村で並べるくらいで。ただ、人が住む場所を選ぶのに、最初にくる基準は沿線なんです。通勤、通学の問題を考えれば自然とそうなるのに、誰も従来のやり方のまま変えなかった。だから、僕はリクルートがやったことっていうのはイノベーションだと思います。生活者の視点を大事にして、既存概念にとらわれていなかったからできたんでしょうね。
でも、当時の出版社の反応っていうのはものすごかったですよ。「あんな、広告をかき集めたものを本とみなすのか」とか「リクルートを出版社とみなすのか」っていう議論が勃発しました。
同じように、僕らが80年代末に「Esquire(エスクァイア)」を始めた時も、大手代理店、出版社からもめちゃくちゃ言われてスタートしました。でも、あれは既存のジャーナリズムに対するメッセージもあったんですよね。僕はあの雑誌で、「会社人間」を解放しようとしたんです。企業に属する個人の顔が見えない、なんで日本のビジネスマンはこんなにつまらなくなっちゃったんだろうと思って。逆に言うと、それくらい日本の企業というのは強いということですよ。僕はそういう提言をするのが、メディアの仕事だと思ってます。もっと個人を大切にする視点を持って、ジャーナリズムをつくっていく。それが編集者の役割だし、そうありたいと思います。
これからは新聞社や出版社に勤める編集者より、編集制作会社の人たちのほうが、既存のやり方にとらわれていない分、本来の職業としての編集者やクリエイティブの可能性は大きいと思います。そのときも、世の中の大半の人が職業を持って社会で生きている、生活しているという視点を見失わないでほしい。企業広報に限らず、まず「批判力」を持って、クリエイティブしていくのがプロの編集者だと思います。
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