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ヤッパ 伊藤正裕 電子出版ビジネスの可能性―電子出版時代の編集の役割とは

固定概念を取り払う

お話を伺っていると、電子書籍は従来の編集の価値を継承する、新たなメディアとしての大きな可能性を感じます。

そうですね。電子化しても確実にわかったことは元々、紙であまり売れていないものを電子化してもあまり売れていなくて、反対に紙でも売れる物は電子化しても売れるんですね。
だから、本質的な編集のノウハウは変わらないほうがいいと思います。たとえばスポーツ新聞の見だしは、あの独特の色遣いという所に価値がある。
ただし、編集技術は従来とはやり方が変わってくるでしょう。利用者の見ている画面によって、余白の大きさも違いますし、レイアウトが可変化されたり、あとは動画でも、5分流すものではなくて、例えば、ファッション誌でいうならば、腕時計をしているモデルの腕がスッと0.5秒くらいで動いたり、という使われ方ですね。制作ツールの使い方も含め、そういう電子出版ならではの編集技術が必要になってくるでしょう。
それから、今までは雑誌は最新刊しか売れないという固定概念が出版社にはありましたが、我々が今、やっている「マガストア」では、昨年のバックナンバーがポロポロ売れたりしています。電子化によって、ユーザーが古い雑誌にも出会うことができるようになったんです。バックナンバーだからといって、情報の価値が下がっているわけではないんですね。時代の流れで、むしろ価値が上がっているものもあるわけです。
ただし、そういったバックナンバーとの出会いを検索なのか、レコメンデーション*2なのか、何かしらの方法でつくってあげないと当然売れないと思うんです。でも、そういったところに、大きなビジネスチャンスがあるような気がします。

メディアに関わる人間も固定概念を取り払わないといけないですね。

そうですね。でも、変わらないほうがいいものもあって、それは、マスメディアの役割と人の接点だと思います。既存のマスメディアというのは、世論の舵取り役が求められています。あとは、情報の受け手が受け身であるということ。要するに、受け手側がインターネットのように、自分で探しにいくのではなくて、例えば新聞、雑誌をペラペラと読んでいると、自分にとって価値ある情報と遭遇する。これは、少しオーバーかもしれませんが、文明の発展上、すごく重要なことだと思うんですね。カスタマイズされた雑誌というより、「週刊○○」といった冠があって、その編集方針があるからこそ、価値があるんだと思います。

時代は「アナログ」の感性へ

伊藤さんは17歳で起業されて、IT業界のみならず、起業家として非常に注目されていますが、経営者としての信条、成功の秘訣をどのようにお考えですか?

私はずっと起業したときから、ITのアナログの時代がきっと来ると考えていて、どんどんそれが現実となってきました。iPadは指で触って動かしますが、こんなアナログなことはないですよね。クラウドコンピューティングも流行っていますが、あれは管理を利用者がしなくていいし、どこでもいつでも当たり前に、どんなファイルだって手に入る。ユビキタスの一歩先を行っているんです。すべてはどんどん人のアナログな感性に近づいています。でも、それは本当にユーザーが求めているものであったり、社会の役に立つものです。
ですから、やはり誰の役にも立たない商品は次の注文も来ませんし、人気も出ないと思います。人の役に立つもの、本当に面白いもの、価値のあるものというのは、どんどん継続していくし、発展していくんですね。
ですから、私が社員と日々共有しようとしているのは、これは誰の役に立って、誰に喜んでいただいて、社会的価値があるのかということ、コンシュマーサイドの視点というものを仕事をするうえで徹底的に意識するように言っています。  また、事業を発展させていく上では、なるべく一歩引いて、本質的に分析し、徹底的に大切なポイントだけつかんでいくことが大切なんだと思います。競合企業の動きはあまり気にせず、お客さま、利用者にとって、一番便利なものを提供できればと思っております。

最後に編集制作業界を担う会員社に対してメッセージをお願いします。

私としては、皆さんのノウハウを生かして、どんどん電子化にチャレンジしていってほしいですね。今、実感しているのは、90年代後半から、インターネットに出版界はパイを奪われ続けたのを、電子化の流れで、今年以降は、取り返せる気がしています。

それは、会員社にとっても嬉しいメッセージです。

最近、雑誌社の方と打ち合わせなどでお話させていただくと、「もうホームページやめようかと思っているんです」と相談されることが多いです。ホームページの予算を電子化にまわそう、という声が実際にあります。その予算で電子化の編集をいろいろやろうという動きもあります。この様に、電子出版の時代こそ、編集業界の皆さんの知恵が生きてくる時代ですので、共に新しいメディアの創出を盛り上げていきたいと思っております。

*2レコメンデーション
Eコマースなどで、利用者の購買履歴やアクセスページなどから分析し、趣向が似ている他の利用者の買物情報を提供するなど、おすすめの商品やサービスを推薦することにより、購入率のアップを狙う手法。

電子雑誌書店「MAGASTORE(マガストア)」

マガストア

●マガストア:http://www.magastore.jp

電通とヤッパが提携する電子雑誌の有料配信サービス。9月8日時点で参加出版社51社、閲覧可能雑誌は98誌、バックナンバーを含めると、1,000誌以上にのぼる。


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